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office-R2のロープレスキュー講習について

欧州(ヨーロッパ)式って?

 office-R2の講習は、ヨーロッパの安全規格をベースに構成され、11mmのロープ、Petzl(ペツル)社に代表される、ヨーロッパ規格(EN規格)に適合した資器材を使用します。これらは軽く、汎用性が広く、少人数での活動が可能という特徴があり、山岳救助や複雑な高所作業・救助活動に向いています。特に高所作業・山岳救助の分野では、世界の主流となっています。

 

アメリカ式とは違うの?

 日本ではNFPA規格の資器材、12.5mmロープを使用した、いわゆる「アメリカ式」救助技術も取り入れられています。しかし、多くの日本の消防職員が知っている「アメリカ式」は、現在のアメリカにおいて古いとされる技術です。アメリカやカナダでは救助隊の使用するロープは11mmへと移行が進み、新たに開発・発売される資器材は11mm用でEN規格にも適合したものばかりです。
 実は、アメリカのロープレスキューと、ヨーロッパのロープレスキューは、非常に近いものへと相互進化しているのです。

 いまだに、「強固な資器材を用いるNFPA-G規格が最も優れている」とおっしゃる方もいますが、T規格やEN規格の資器材を壊してしまうようなレベルでは、G規格の資器材でも安全に運用するのは不可能、極太のワイヤーで救助する必要があるでしょう。

 office-R2の講習では、アメリカ製の資器材も使用します。単なる「ヨーロッパ式」ではなく、11mmロープを使用した国際水準のロープレスキュー技術をお伝えする講習なのです。

 

 

登山技術の流用ではありません!

 言うまでもありませんが、ダイナミックロープやエイト環・ATCを積極的に用いる、クライミング技術の流用ではありません。SRTに代表されるケイビング技術も、スポーツ愛好者向けの技術であり、似て非なるものです。専用の資器材、セミスタティックロープを用い、ストレッチャーや救命処置を想定した訓練を行います。

 もちろん、山岳救助講習では山岳に特化した資器材や手技を指導しますが、これも「救助隊の技術」として専門的な内容を講習をさせていただきます。

日本の救助隊に即した内容です

 office-R2の講習では〔救助隊5名〕や〔救助隊3名、応援隊3名〕といった、日本の消防救助隊の実情を考慮した手技で講習を実施しています。

 また、すでに施行されている労働安全衛生規則「ロープ高所作業」「墜落制止用器具」の項に完全に適合しており、レベル1〜2講習はこの「特別教育」を兼ねています。

 

医療・救急との連携を検証・研究しています。

 「救助のための救助」ではなく、「要救助者のための救助」を目指しています。ワークショップでは救急隊員や救命士の進入、処置や救急資器材のシミレーションも行っております。兼任の所属、専任の所属、それぞれのベストな救助方法を考えていきたいと思います。

 より高度な講習・アドバイスができるよう、講師も各種講習会や訓練会で勉強しており、2015年夏にはITLSベーシック(JPTEC)、2016年春にはITLS-ACCESS(車両救助)を受講しました。救急医や救急隊とも協力し、ロープレスキューにおける救護手技の検証も行っております。

 

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